Steinway Owner Interview

音の色彩を探求する楽しみ

―朴 沙彩 様、朴 久玲 先生―

桐朋学園音楽大学に入学後、現在はハンス・アイスラー音楽大学に留学中の朴 沙彩様。スタインウェイM-170をご自宅に迎え入れたのは、沙彩さんがより真剣にピアノと向き合う決意をしたタイミングだったといいます。お母様であり、桐朋学園音楽大学教授でもある朴 久玲先生にもお話を伺いました。

―沙彩さんのこれまでのピアノのご経歴を教えてください。

朴 沙彩さん(以下、沙彩さん) きちんとピアノを習い始めたのは4歳あたりだったと思います。第75回日本学生音楽コンクール中学の部で第1位を取った後に桐朋学園高等学校音楽科に入学し、高校2年生のときに日本音楽コンクールで第3位をいただきました。現在はハンス・アイスラー音楽大学ベルリン留学し、現地の先生に師事しています。

朴 久玲先生(以下、久玲先生) 娘が幼稚園のときにしばらく海外に滞在した時期があり、その時にかつて私が学んだモスクワ音楽院の、附属中央音楽学校に通わせました。「子供を教えるプロ」の先生に習うのですが、日本とは違って、大人と同じように叱る、注意する。一音たりとも意味のない音を出さない、ということを幼少期から徹底している教育が、彼女の原体験になっていると思います。

―沙彩さんにとってピアノという楽器はどのような存在ですか。

沙彩さん 生まれたときからあったので最初は当たり前でしたが、今となっては人生すべてがピアノ次第という感じです。ピアノがなければ人生に色もつかなければ、そもそも形も明確ではないような人生になっていたかなと思います。今は良いことも悪いことも、自分の喜怒哀楽すべてを音楽で表しています。ピアノを介して人間関係が始まり、家族とも音楽の話をし、私の人生の始まりも終わりも、音楽次第だなと感じています。

―スタインウェイのピアノをご自宅で弾き始めて感じたご自身の変化があれば教えてください。

沙彩さん 中学3年生のときにスタインウェイM-170が自宅にきましたが、より一層、一つひとつの音を隅々まで聞くようになったなと感じています。その直後にあった学生コンクールは、人生において、自分で納得のいく演奏ができた初めての本番だったかなと思うのですが、それもやはりこのピアノのおかげというところが大きいと思います。柔らかい音から鋭い音まで、いろいろな色彩が出しやすいピアノで、本当に音の研究がしやすくなりました。

写真手前がSteinway&Sons M-170。自宅に迎え入れてから、久玲先生から見ても、沙彩さんは夢中で弾いていたそうです。

―現在はハンス・アイスラー音楽大学に留学して約半年経ちますけれども、ここまでの留学生活で印象に残っている出来事はありますか‎。

沙彩さん すべてが新しくて新鮮で、音楽的にも生活的にも自分の人生が始まったなという感じです。現在の師であるネボルシン先生はドミトリー・バシキーロフに習っていたので、私のベースとなっているロシアンピアニズムのことも、ドイツの伝統と流行もわかっていらっしゃり、師事するタイミングも含めて私に合っていると感じます。

先生は文学、作曲家、昔の演奏家など、教養もお持ちで、早口で情報量が多くて。歴史や芸術のすべてが繋がっていることを実感できるレッスンを受けて、毎回アドレナリンが出ています。

―沙彩さんにとってロシアンピアニズムと、ドイツの今の演奏の傾向の違いを感じた部分は、どのあたりですか。

沙彩さん 特にバロックと古典でロシアンピアニズムは濃厚で深い音色、最大限のレガートを求める傾向があるかなと思いますが、現在のドイツでは、ドイツ語の発音のように分けてはっきりした音色を出すことが求められているように感じます。

すべての音に意味を持たせる点に変わりはないのですが、私の元の音楽が情熱的で気持ちが多いほうなので、特に大事な音と、軽く引くべき音を明確に分ける、といったようなところが、これまでの私のスタイルになかった新鮮な視点です。

―とてもわかりやすく言語化していただきありがとうございます。ピアノ以外の思い出はありますか。

沙彩さん ハンス・アイスラー大学内でトリオを組んでいるのですが、クリスマスの時期にドイツ出身のヴァオリンの子の実家に何泊かさせてもらいました。ニュルンベルクに近い町だったのですが、ドイツのその地方のクリスマスの過ごし方を全部教えてくれました。親戚同士の家をまわって、必ずクリスマスディナーに呼んでくれて。 鹿肉や、あらゆる種類のポテト料理が出てきて、たくさんいただきました。それから、各家庭で20種類以上クッキーを作ったりするんですよ。クリスマスのドイツの伝統を実感させてもらってとても楽しかったです。

―今後の抱負や挑戦について教えてください。

沙彩さん ドイツに行って半年経ちました。日本にいたときはコンクールで測る傾向が強いと感じていましたが、ドイツではすごく上手な子でもコンクールなどでの賞歴がひとつもなかったり、それでもコンサート活動ができている子たちがいます。私も今、先生とはレパートリーを増やす時期だという話になっていて、つまりコンクールコンクールしてないわけですね。今はまだ成長過程なので、自分の中で音楽を見つめて、レパートリーを広げてたくさんのことを勉強し、音楽だけではなく人生経験も積んで、そして時期が来たらコンクールを受けたりして――と考えています。もちろん将来はなるべく多くの機会で弾きたいなと思うので、そこに向かって頑張っていきたいです。

―スタインウェイのピアノご購入の経緯を教えてください。

久玲先生 確かに家ではいつもピアノの音が出てたんですけれども、ちょうどパンデミックの時期だった娘が中学3年生のときに、初めて学生コンクールに出ることになって、初めて彼女に火がついたんです。そのとき、私の母が、自分がいなくなった後も残るものを孫に残したいと言って、やっぱりピアノよね、ということになりました。そのとき調律などをお願いしていた鈴木俊明さん(弊社委託技術者)に相談したところ、一緒に探しましょうと非常に親身になってくれまして、他メーカーのピアノも含めて検討をしていました。それでスタインウェイも見に行ったら、もちろんもう、やっぱりまったく違いました。

―スタインウェイの良さはどんなところに感じますか。

久玲先生 このピアノに限らずではありますが、やはりスタインウェイはあらゆる音色を探すことができる、作ることができるというのが一番の楽しみです。普通であれば本番でいいホールで巡り合って弾ける楽器を、自宅でレッスンや毎日の練習で弾くという、こんなに幸せなシチュエーションはなかなかないなと、本当にありがたく思っています。耳を育てる、その一言に尽きますね。

―教育者として、それからピアノを学ぶお嬢様がいらっしゃる親御様として、スタインウェイのピアノをご自宅に迎え入れて感じたお嬢様の変化を教えてください。

久玲先生 やはり”タイムリーだった”というのもあったと思います。娘がちょうど自覚を持ったとき、それとコロナ禍で外に出られなくて、家の中でやらなければならなかったときに、このピアノを迎え入れて、自分への厳しさ、音の追及のレベルがまた変わったなというのは、もうそれは顕著に演奏からわかりました。

―ロシア、日本、ドイツと、様々な音楽教育を経て成長し続けている沙彩さんの今後がますます楽しみになりました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

[朴 沙彩さんの今後の出演公演]

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