第18回ショパン国際ピアノコンクール
日本人若手ピアニストの活躍とスタインウェイ
記憶にまだ新しい今年の「ショパンコンクール」。
5年に一度の開催であるため、元々は2020年に行われる予定でしたが、全世界でのコロナウイルス感染拡大の影響で1年延期され、今年の7月から予備予選が始まりました。151名の予備予選参加者のうち、見事出場資格を得た87名のコンテスタントたちが、2021年10月2日~23日に予選と本選で、演奏を披露しました。
日本人の躍進は世界からも注目され、出場された皆さんがそれぞれ魅力溢れる個性的な演奏を繰り広げ、反田恭平さん(第2位タイ)、小林愛実さん(第4位タイ)の入賞は、日本のピアノファン、ショパンファンにとって、嬉しいニュースとなりました。日本人が第2位に入賞するのは1970年の第8回の内田光子さん以来、51年ぶりで2人目の快挙ということもあり、音楽系のメディア以外でも大きく取り上げられています。
元々チケットの入手が困難なことに加えて、海外渡航も容易にはできない状況下。
そのような中でも全世界にショパンの祭典を届けるために運営側が注力されていたのが、YouTubeでの生演奏配信でした。日本時間では深夜にも関わらず、連日釘付けになったかたも多かったのではないでしょうか。
ライブでコメントを投稿することもでき、YouTube画面は大いに賑わいをみせ、世界のどこにいても世界トップクラスの若手の演奏をリアルタイムで視聴できる、従来とは異なるコンクールの楽しみ方を示しました。
何度も聴きたくなる熱演が、数えきれないほど生まれた今年のショパンコンクール。開催中に視聴しきれなかった演奏も、アーカイブで観ることができます。
https://www.youtube.com/c/chopininstitute/videos
反田さんのFinal roundでの協奏曲の演奏は、なんと279万回の視聴を集めていました(2021年11月末時点)。ワルシャワ国立フィルハーモニーホールの座席数が約1,200席であることを考えると、視聴できた人数は約2,000倍。国境や世代を超えて、これほど多くの方に反田さん渾身の協奏曲が届けられたというのは、クラシックピアノ界における歴史的な出来事といっても過言ではないでしょう。
(下の写真をクリックするとFinal roundでの反田さんの演奏を視聴頂けます)
今回、スタインウェイはコンクールの公式ピアノとして2台が用意されました(1台はワルシャワ・フィルハーモニーホール所有。もう1台はショパン・インスティテュート所有)。
2台のスタインウェイピアノをセレクトした出場者がとても多かったため、現地の調律師は連日睡眠時間を削りながらの調整を行いました。
同じピアノでも、まったく異なる音色が紡ぎだされるのを、画面越しでも実感されたと思いますが、三次予選に進んだ5人の日本人出場者(小林愛実さん、進藤実優さん、角野隼斗さん、反田恭平さん、古海行子さん)は全員が「スタインウェイ」の多彩な音色で、素晴らしい演奏を繰り広げました。
(小林愛実さん Final round ―写真をクリックすると視聴頂けます)
(角野隼斗さん 3rd round ―写真をクリックすると視聴頂けます)
コンクールに参加されたすべての若手ピアニストが、今後ますます活躍されることを心より祈っております!
開催された日程や出場者に関する詳細情報は、コンクール公式サイト(英語)でご覧いただけます。https://chopin2020.pl/en/